シャルドネ CHARDONNAY – 白ブドウの王様

Grape Variety

ワインに興味を持ったとき、最初に出会うのがこの「シャルドネ」という白ワイン用のブドウ品種ではないでしょうか。比較的栽培が容易なため世界中で栽培され、手軽なものから最高級のものまで幅広く愛されていることから「白ブドウの王様」と形容されています。

また、ブドウ品種自体の個性は控えめで、栽培地や醸造方法(造り手の個性)の影響を強く受けることから「あなた色に染めて」や「純白の乙女」などと喩えられることもあります。

シンプルですが奥の深いシャルドネについて、その特徴からおすすめのワインまで詳しくご紹介します。

出身はフランスのソーヌ=エ=ロワール県

原産地はフランスのソーヌ=エ=ロワールと言われています。場所はフランスの東の中央、リヨンとディジョンの間で、ブルゴーニュ地方に該当する辺りです。
初めてシャルドネについて言及されたのは1583年頃とされていますが、より確実性の高いものでは1685〜1690年頃とされています。

名前はフランスのマコンにあるシャルドネ村に由来していると言われています。

品種の特徴

ピノ・ノワールを父、グーエ・ブランを母に持ちます。

萌芽、成熟ともに早い。そのため、春の霜害の被害を受ける可能性がある。(シャンパーニュ地方やシャブリ地区など)
成熟期の終わりにかけて急に酸味を失う可能性があり、収穫のタイミングには細心の注意が必要。
比較的育ちやすい。
石灰岩(limestone)質や石灰岩の粘土質(Calcareous Clay)の土壌に適している。
房、粒ともに小さい。
ピノ・ブランとよく似ている。
比較的果皮が薄く、貴腐菌が付きやすい。

冷涼な気候では緑色系果実や柑橘類の風味、温和な気候では白桃やメロンなどの風味、温暖な地域ではバナナやパイナップルなどのトロピカルフルーツの風味を呈する。

栽培地域は…世界中どこでも!

フランス・シャンパーニュ地方 9,254ha(関税総局統計2020年度 5県の数値の合計のうち28%)
フランス・ブルゴーニュ地方(ボージョレ地方を除く) 15,327ha(ボージョレ地方を除く地域のうち約51%を占める)
イタリア ピエモンテやシチリアなど中心 20,056ha (2015・白ブドウ品種第四位、赤白品種合わせて第八位)
アメリカ・カリフォルニア州 36,514ha (2021)
オーストラリア 27,786ha (オーストラリア全域の栽培面積146,244haのうち19%を占める場合の推計・出典 National vintage report 2022)
ニュージーランド 3,187ha (2022・白ブドウ品種第二位)
南アフリカ 6,549ha (2021・白ブドウ品種第四位)
チリ 10,920ha (2020・白ブドウ品種第二位、赤白品種合わせて第四位)
アルゼンチン 5,709ha (2021・白ブドウ品種ではセレサ、ペドロ・ヒメネス、トロンテスに続く第四位、赤白品種合わせて第九位)
日本 長野県(551t)、山形県(223t)、兵庫県(132t)を中心に栽培され、生産量の6.5%を占める(白ブドウ品種第三位)

ワインのスタイルは大きく2つ

前述の通り、シャルドネというブドウ品種自体にはそれほど強い個性がありません。そのため造り手の意思をより明瞭に反映する傾向があります。(もちろん気候条件も大きく影響してきますが、早摘みor遅摘みするなどある程度の介入も可能です)

スタイル1:ニュートラルな個性を尊重したピュアでシンプル、爽やかなタイプ
こちらはフランス・ブルゴーニュ地方のシャブリなど、ミネラルをより強く感じやすいです。

スタイル2:木樽熟成による香ばしさやボリューム感を備えたタイプ
フランス・ブルゴーニュ地方のモンラッシェ、アメリカ・カリフォルニア州のシャルドネなどが挙げられます。

今飲みたい シャルドネ3選 *随時更新

シャブリ プルミエ・クリュ レ・ヴァイヨン ヴィエイユ・ヴィーニュ /ドメーヌ・ラロッシュ(フランス・ブルゴーニュ地方)

樹齢40年の古樹のブドウ樹(ヴィエイユ・ヴィーニュ)により果実の凝縮感が感じられる。また、南東向きの優良畑(レ・ヴァイヨンという名前の一級畑=プルミエ・クリュ)のためブドウがしっかり熟す。石灰岩質のマールとキンメリジャンの深い土壌で、が岩間に深く伸びミネラルの特徴を熟した果実に与える。発酵熟成を樽とステンレスタンクで行っていることから、爽やかさの中に繊細な樽熟成のニュアンスが垣間見れるワイン。


ピュリニー・モンラッシェ/ オリヴィエ・ルフレーヴ(フランス・ブルゴーニュ地方)

ピュリニー・モンラッシェ村を代表する、オリヴィエ・ルフレーヴ。
ステンレスタンクで6ヵ月間、新樽率20%のオーク樽にて12ヵ月間熟成しており、レモンやグレープフルーツ、黄桃などの果実のアロマやミネラル、トーストのニュアンスが感じられる。
フレッシュな酸味による長い余韻が愉しめる、ピュリニー・モンラッシェらしい1本です。


北信シャルドネ 左岸(PGC)/ シャトー・メルシャン(日本・長野)

長野県北部、千曲川の左岸の契約栽培畑で収穫されたシャルドネをオーク樽にて発酵・育成。粘土質から生み出された穏やかな酸味が心地よい。シャトー・メルシャンのワインはどれも品質に優れており、「日本でこんな素晴らしいワインが造れるんだ!」と感じられるはず。


記事中のデータの出典は注釈のない限り日本ソムリエ協会が出版するソムリエ教本2023年に基づきます。

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