生産者来日イベント(プライベートセミナー)を開催しました

Report/ Interview

イタリア カンパーニャ州の自然派のワイナリー「Terrae Laboriae」からAntonioさん、Mariaさんが来日しているとのことで、プライベートセミナーを開催していただきました。

きっかけはなんとInstagramのDM。Antonioさんがワイナリーのアカウントから私のアカウントにメッセージをくれ、「私たちのワインをテイスティングしませんか?」とオファーをしてくれたのです。

私はインポーターでもないしワインショップでもワインバーでもないのでメリットがないですよ、とお伝えしたものの、「せっかく日本に行くのでみなさんに味わってほしいんです」ということで、お言葉に甘えてオファーを受けることにしました。


Terrae Laboriaeについて

Terrae Laboriaeはイタリア カンパーニャ州のサンニオに位置するワイナリーです。
縦に長いブーツの形をしているイタリアの北部、中部、南部のうち、南部に属しています。

イタリアには2つの大きな火山があります。
ひとつはシチリア島のエトナ山。もうひとつが、カンパーニャ州のヴェスヴィオ火山です。
Terrae LAboriaeはこのヴェスヴィオ火山による影響を受けているそうです。

ヴェスヴィオ火山によって形成される石灰岩質の土壌がワインにミネラルを与えており、これが彼らのワインの特徴のひとつなのだそうです。

この土壌を活かしながら、Terrae Laboriaeのブドウ畑では有機栽培を実施しています。

ワイナリー名の「Terrae」は “Land devoted to work”を意味しているそうで、彼らがその土地に根ざしたワイン造りにかける思いや大地への感謝の気持ちなどが現れているように思います。

また、Terrae Laboriaeの醸造において特筆すべきはアンフォラを使った伝統的な方法でワインを醸造していること。また、添加物や化学物質などを極力抑えた自然な造り方をしていることです。


アンフォラを使用するメリットは何か?と聞いてみると、「酸化は進むが香りなどがつかないこと」だそう。

オーク樽を使用すれば酸化は進みますがバニラやスモークなどの樽の香りがついてしまい、ブドウ本来の香りを覆ってしまうことになります。
一方でステンレスタンクを使用すればブドウ本来のピュアな香りや風味を維持することはできますが、嫌気的であることから酸化はほとんど進みません。

樽とステンレスタンクのいいとこ取りをしたのがアンフォラだと言えるかもしれません。


ワイン醸造においては、

  • 自然酵母による発酵
  • 亜硫酸無添加

など、人の手の介入を極力避けた方法を取っているとのことでした。


ワイナリーについて知識を深めたあと、実際にワインのテイスティングに入ります。


白ワイン TETRI

用意していただいたのは白、オレンジ、赤ワインの3種類。

まずは白ワインの「TETRI」です。

TETRIはジョージアの言葉で「白」だそうです。白ワインではありますが、24時間の浸漬を行い、12ヶ月の熟成を行っています。そのため、外観はしっかりと濃い色調の黄金色です。

鼻を近づけると、やや強い芳香が感じられます。

青りんごや洋梨、レモンなど、緑色系の果実〜柑橘、白桃のようにみずみずしさもあります。
はっきりした芳香ではありますが、シンプルでまっすぐなワインだと感じました。

酸味は中程度で、心地よく感じました。

ブドウ品種はファランギーナ 100%。カンパーニャ州の地ブドウです。


オレンジワイン SPERI

続いて、オレンジワインの「SPERI」です。こちらもジョージアの言葉に由来したワイン名で、「橙」を意味しています。

ブドウ品種は白ワインのTETRIと同じファランギーナですが、1ヶ月にわたって浸漬を行っており、鮮やかなアンバー色に変化しています。

熟成は白ワインのTETRIと同じく12ヶ月間クヴェヴリにておこなわれています。

色調は濃いものの、不思議と香りは白ワインのTETRIよりもこちらのSPERIの方がやや穏やかに感じます。シンプルでストレートなファランギーナの魅力があった白ワインとは対照的に、こちらはより複雑性が感じられるため穏やかに感じるのかもしれません。

レモンやグレープフルーツなどの柑橘、黄桃のようなよりまろやかさのある風味やジャムのような果物の凝縮した甘やかさ、スイカズラのような少し華やかで鼻をくすぐる甘い香り、スモークやミネラルなどを重奏的に感じることができました。

酸味は中程度〜やや高いですが、果実味とのバランスで優しく感じられました。


赤ワイン TELI

最後は赤ワインの「TELI」ジョージアの言葉で「赤」を指します。

黒ブドウは浸漬しすぎると過剰なタンニンが抽出されてしまうため、こちらは48時間の浸漬にとどめているそうです。果皮と果汁を分離したあと、1年間の熟成を行う点は前の2つと同じです。

外観はしっかりと濃い色調で、紫がかったルビー色です。

プラムやブルーベリー、ブラックベリーなどの黒系の果実の香りと、スミレなどの花の芳香、リコリスなどの少し甘やかなニュアンスが感じられます。

ブドウ品種はCamaiola (カマイオーラ) 100%。はじめてその名を聞きましたが、品種の個性としてはバルベーラに近いということです。



ワインの中身の話だけでなく、エチケットのデザインのお話なども伺うことができました。

こちらのラベルはご友人のアーティストが手掛けたものだそう。
アンフォラや乾杯をしている人物など、さまざまなモチーフが象られています。

私は普段、好んで自然派ワインをいただくことはないため、実は今回のワインをおいしくいただけるかどうか不安でした。

ところが実際に飲んでみると、あくまでもおいしいワインを造るための手段のひとつとしての自然な造りなのだな、と感じることができました。全体的に優しい味わいで、とてもおいしいワインでした。

貴重な経験をさせてくださったAntonioさんに感謝です!

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