Holland Village Private Communityのメンバーさんを自宅にお招きし、白ワインを飲み尽くそうの会を実施しました。
お料理に関しては別途アップしようと思いますが、まずはワインのテイスティングコメントをアップします。
COLLET MILLESIME (コレ ミレジメ) 2008
一本目はシャンパーニュのコレ。以前に河村真木子さんもご紹介されていたように記憶しています。
爽やかな柑橘系のフレーバーが支配的。15年の時を経ているとは信じがたいほど生き生きとした果実味が感じられ、若々しい印象。
しかしながらやはり熟成による複雑性は十分に感じられる。トースト、ブリオッシュ、バタークッキー、クリームなど、まろやかで香ばしいような風味が楽しめます。
GRAUBURGUNDER TROCKEN(グラウブルグンダー トロッケン) 2021
2本目はこちら。柴田屋酒店さんのアンバサダー活動でいただいたワインです。
グラウブルグンダーはドイツでのピノ・グリの呼び名です。グラウ(グリ)はグレイ(gray)を意味し、白ワイン用のブドウながら少し灰色・紫がかった果皮が特徴のグリブドウの一種です。
そのことを念頭においてワインを観察してみると、完全なレモンイエローというよりは少しグレーがかったレモン色に見えます。
香りと味わいは、グラウブルグンダーらしくとろりとした感触が感じられます。鼻の中に、あるいは舌にまとわりつくような甘みを帯びた柔らかい感触です。その中にハーブや洋梨、青りんごなどのグリーンな香りと、少し鉱物的な冷たさが感じられます。
後味にほのかな心地よい苦味と高い酸味が感じられるのもグラウブルグンダー(ピノ・グリ)の特徴のひとつなのではないかと思います。オレンジやレモンなど、柑橘類の皮の内側の白い部分を噛んでいるような感覚になります。
この日のお料理の中でいえば、クリームチーズとマーマレードのカナッペと相性抜群でした。
Marqués de Vizhoja (マルケス・デ・ビソハ) 2021
3本目はスペインワインを専門に取り扱うスコルニ ワインの白ワインです。アルバリーニョ主体で、トレイシャドゥーラとロウレイラがブレンドされています。
外観はやや淡いレモンイエローです。
香りはまだ少し硬さのある白桃や洋梨などの核果実が前面に立ちます。また、ユリや西洋スイカズラ、ジャスミンのような独特なニュアンスもあります。
口に含んだ際の印象は香りの印象と大きくギャップがあり、酸味が非常に高く塩味も感じられるタイトな飲み口でした。
合わせる料理にはアヒージョを用意していましたが、より前菜系のお食事の方が合うかもしれません。
Because, I’m Riesling from Germany (ビコーズ, アイム リースリング フロム ジャーマニー)
4本目は、こちらもアンバサダーを務めているビコーズワインです。インポーターのフィラディスが各地のマスト(ブドウ果汁)を山梨県で瓶詰めしているもので、輸送費を最小限に抑えることでコストパフォーマンスに優れたワインとなっています。
今回協賛していただいたのはドイツのリースリング。アロマティックで個性の強い品種として知られています。
外観はやや淡いレモンイエロー。少しグリーンがかったニュアンスもあることから、やはり涼しい気候の中で育ったブドウを使っているんだなと察することができます。
香りは青りんごやレモン、白くて小さなお花の香りなど、爽やかな印象です。酸味も高く、これまたリースリングらしい。全体的なキャラクターは先程のアルバリーニョの白ワインと通じるところがあるかもしれませんが、こちらのリースリングはよりシンプルで個性も比較的控えめです。酸味は高いですがバランスが取れており、白いお花の香りもそこまで主張しません。もう少しリースリングの個性が明らかに出ているとこうした飲み比べでは面白いのですが、普段の食事、特に和食のように繊細な味わいのお料理の際にはこれくらいバランスの良いものは大活躍すると思います。
MUSCAT SEC ALEXANDRIE CÔTE CATALANES (マスカット セック アレクサンドリー コート カタラーヌ) 2021
5本目。またも柴田屋酒店さんのものです。柴田屋酒店さんのワイン、美味しいんだもの。自信を持ってお客様に振る舞うことができます。
外観は。淡いレモンイエロー
グラスに鼻を近づけると、みずみずしいマスカットにそのままかぶりついているよう!少しだけ白胡椒のような鼻をくすぐるペッパリーな印象もあります。エチケットの裏にSEC(セック)と書いてありますが、これはフランス語で辛口を意味します。英語でいうところのDry(ドライ)ですね。
余韻は非常に短く、いい意味でとてもあっさりとしています。
確かに、香りは甘やかでみずみずしい果実の印象がすべてなのですが、口に含んでみるとしっかり辛口です。カルパッチョにピンクペッパーやディルをのせて食べたらぴったり合いそう!
L’ADRET (ラドレ) 2021
6本目は参加者の方が持ち込んでくださったナチュラルワインです。なんの前情報もなしに持ってきてくれたので、飲んでもさっぱりなんだかわかりませんでした…苦笑
ワイン名は「南向きの日の当たる斜面」という意味があるそうで、その名の通り畑は標高400mの丘陵の南向きの斜面にあるとのこと。
色調は大変しっかりとしており、アルコール度数も高いです。
香りの印象は花梨、ほんのりハチミツのような甘やかさ。白胡椒まではいきませんがほんのりスパイシーな印象もあります。どちらかというとシナモンっぽいかなあ。
しっかり冷やして飲んだ方が美味しいです。
酸味はほとんど感じられません。かといって、果実のボリュームが支配的かというとそうでもなく、意外にもさらっとした印象すらあります。インポーター資料を見ると、このヴィンテージは樽熟成100%。なるほど、シナモンの印象はそこからなのかもしれません。SO2無添加でノンフィルターと、自然派ワインらしい造りですね。
GRILLO (グリッロ) 2021
最後の一本は、3本ほどの候補の中から参加者の方に気になるものを選んでいただきました。
イタリア シチリア島のグリッロという白ブドウ品種です。
はっきりとした強い黄金色の色調とコクが感じられるしっかりボディが印象的。
黄桃のようなふくよかさの中に、ベジタルな印象が覗きます。しっかりとした酸味と独特の苦味が感じられ、濃密ながら骨格がしっかりとしているワインだなと感じました。
ということで、7人で7本。しっかり飲みました!
生産国はヨーロッパ中心でしたが、国際品種と土着品種がちょうどバランスよく楽しめて、白ワインのバリエーションをしっかりと感じることができました。
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