去る6月の平日の昼下がり、自宅に友人たちをお招きしてワイン会を実施しました。
自宅のワインセラーで最も本数が多そうなのが日本ワインでしたので、乾杯から〆まですべて日本ワインにしてみました。
参加者は河村真木子さん主催のオンラインサロン「Holland Village Private Salon (現在はHolland Village Private Communityに改称)」のサロンメンバーで、サロン内のワイン好きコミュニティ「ワイン同好会関東」に所属している方々です。
集合時間は11時半…でしたが、少し早く着かれる方、迷子になって遅れる方がいらっしゃり、準備が十分にしきれぬままみなさんをお出迎えすることになってしまいました。
実は予定していた料理の半分しか前日までに仕込むことができなかったので、当日朝はかなりドタバタしていました。この反省は次回にしっかり活かして、冷凍できるものは前週から準備していこうと思います。
お料理のアイデアは以前にTwitterでフォロワーさんにいただいたアドバイスが役に立ちました。
spice & wine oeldの大澤さんにはこの前の週にわざわざ自宅に来ていただいて実際に手ほどきを受けるなど、バックアップが心強すぎます。
この日に用意したお料理は、タプナード、クリームチーズディップ、アボカドディップ、サンドイッチ(マスタードチキン&キャベツサンド、ツナマヨサンド、ハムレタスチーズサンド)、春巻の皮のオーブン焼き、ローストビーフサラダです。
さて、全員が揃うまでに時間がかかってしまいましたがやっと乾杯です。
スプマンテ 2021 / ファットリア・アル・フィオーレ
乾杯に選んだのは宮城県のワイナリー「ファットリア・アル・フィオーレ」のスパークリングワイン「スプマンテ 2021」です。
ブドウ品種:シャルドネ、ピノ・ノワール
アルコール度数:11%
スプマンテとはイタリア語でスパークリングワインを指します。瓶詰めから少し時間が経過しているためか、スプマンテというよりはフリッツァンテ(微発泡)のように感じました。無濾過のためかにごりと、ボトルの底には澱も見られます。
外観はかなりしっかりとした黄金色です。使用されているブドウ品種はシャルドネとピノ・ノワールのアッサンブラージュのため、もしかしたら比較的ピノ・ノワールの比率が高いのかもしれません。
香りはレモン、グレープフルーツ、干し草、オレンジピール、ドライマンゴー(いわゆる第三アロマとしてではなく、水分が抜けて凝縮したアロマのニュアンス)など、フレッシュさよりもリッチさが感じられるワインです。無濾過ゆえの雑味といいますか、野性味(禽獣類ではなく野草など)や複雑性が楽しめます。
毎年は造られない一期一会のワインだそうです。日本の小規模生産者ならではの一本ですね。貴重なワインを楽しませていただきました。
みなさんにスパークリングワインを召し上がっていただいている間にローストビーフをカットしていきます。有機新玉ねぎのドレッシングも自家製でした。サニーレタスも有機栽培のものです。
シャルドネ 2021 / 井筒ワイン
続いて、白ワインは長野県塩尻市に位置する井筒ワインの「シャルドネ2021」です。
ブドウ品種:シャルドネ
アルコール度数:12.5%
私が主催する塩尻ワインサークルのメンバー内でも評価の高い井筒ワイン。品質はもちろん、価格の面でも非常に優れているのでデイリーに飲むのにもってこいな造り手です。ちなみにこのGI長野のシャルドネは小売店で1,600円ほどでした。
先程のスプマンテとは明らかに異なる透明感のある外観です。
レモン、ライム、青りんご、ディルのようなハーブのニュアンスも若干感じられ、爽やかな清涼感が楽しめる初夏にピッタリの白ワインです。
オータムカラーズ ブラン 2022 / 城戸ワイナリー
続いて、同じ長野県塩尻市から城戸ワイナリーの登場です。選んだのは先日のお料理ワイン会の際にもいただいた「オータムカラーズ ブラン 2022」です。
ブドウ品種:ヴェルデレー 76%、リースリング 12%、シャルドネ 6%、ゲヴュルツトラミネール 4%、ピノ・グリ2%
アルコール度数:13.5%
白桃、ラ・フランス、黄色い小さなお花、白胡椒などふくよかで華やかな香りの中に少しエキゾチックな雰囲気のある不思議な白ワインです。そしてとにかく芳香性が強い!グラスに少し鼻を近づけるだけでもしっかりと香りが感じられます。これには参加者のみなさんもとても驚いた様子でした。
キャトられスチューベン ロゼ / FUNABASHI COQ WINERY (船橋コックワイナリー)
白ワインが続いたので、気分を変えてロゼワインです。
私自身、初めて飲むワイナリーのワインで、かつ飲み慣れていないブドウ品種を使用していることから、実際に飲むまでに味わいの想像がつかず非常にドキドキしました。
千葉県初の都市型ワイナリーである船橋COQワイナリーのロゼワイン「キャトられスチューベン ロゼ」です。船橋COQワイナリーのTwitterキャンペーンでいただきました。
品種:スチューベン 100%
アルコール度数:11.0%
ぶどう本来の味わいや酵母の旨みを楽しめるように、無濾過で造っているというこちらのワイナリー。にごりも澱もしっかり残っています。
香りを嗅ぐと、いちごキャンディや綿あめ、いちごのチューイングガム、いちごラムネなど甘い砂糖菓子のようなチャーミングな香りが中心です。もしブラインドで飲んでいたならば、きっとマスカット・ベーリーAと答えていただろうなと思いますが、この後飲むマスカット・ベーリーAのワインの香りや味わいから考えるとそれ以上にチャーミングな香りです。
飲んでみると想像以上にしっかりさっぱり、辛口な味わいで、香りとのギャップに良い驚きがありました。甘みはあまり感じられず、心地よい酸味が感じられます。
期待を遥かに上回る美味しさで、いただきものなのに鼻高々になってしまいました。
ちなみにワイン名の「キャトられ」とは、ネット用語の「キャトる」の受身形で、FUNABASHI COQ WINERYの方曰く「自分的にうまくいったので「宇宙人も欲しがる」というような意味でつけました」とのことでした。
いや〜、このネーミング、飲んだあとにはさらにしっくりきます。美味しかったもの。
こちらのワインはふるさと納税でも手に入れることが可能です。
穂坂マスカット・ベーリーA 2014 / シャトー・メルシャン
最後のワインは赤ワインです。とはいえ、6月にしてはすでに暑い日でしっかりとした赤ワインはすすまないだろうなと思いましたので、重すぎないものを選びました。
今回、手持ちの白ワインがすでに充実していたので日本ワインの会なのに甲州種のワインを出すことができなかったので、せめてマスカット・ベーリーAは飲んでいっていただきたかったのもこちらを選んだ理由のひとつです。
ブドウ品種:マスカット・ベーリーA
アルコール度数:12.5%
アカデミー・デュ・ヴァンに通っていたときのクラスメイトがうちに置いていったもので、長女を妊娠していたため飲めず、開ける機会がないまま彼女が結婚でアメリカに移住してしまったため、持ち主不在で開けさせていただきました。持ってきてくれたのがおそらく2019年だったのでその時点ですでに5年経っていますが、そこからさらに4年が経過し10年近くのんびりしていた赤ワインです。
穂坂の熟度が高いブドウを使用しているとはいえ、マスカット・ベーリーAがそれほどの熟成に堪えうるものかと少々の不安がありました。
色調は想像以上にしっかりしています。明るいガーネット色といったところでしょうか。
凝縮した野いちご、レッドプラム、シナモン、ナツメグ、焦がした木、スモーキーな香り、湿った土、濡れた草。雨上がりの森の中で野いちご摘みを楽しんでいるような香りです。
酸味、タンニンともに穏やかでさらりとしています。
マスカット・ベーリーAらしいかと言われると疑問ですが、マスカット・ベーリーAにこんな味わいが出せるのかと驚きがあり、この品種のポテンシャルを感じられる素晴らしいワインだと思いました。さすがはシャトー・メルシャン、と言わざるを得ません。
ということで、7人で5本とちょうどよく酔える楽しいランチ会でした!
次回はもう少しお料理の段取りを改善して、ゆっくりワインの説明をできるようにしたいと思います。
サンドイッチは工数がかかるわりに手が込んで見えないのが少し悲しいところでした…
特に大澤さんに教わったチキンはよくできていたので、別でお出しするなどプレゼンテーションの面でも反省です。
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